ネットを通じて外国語翻訳の仲介をする『クラウドワーク』というビジネスがある。
AIの自動翻訳ではできない専門的な文章が対象だ。
今はAI自動翻訳の精度も向上したが、やはり正式なビジネスに使えるレベルではない。 実際の人間による翻訳の需要はグローバル化が進んだこの時代に増えこそすれ減ることはないだろう。
手順はこうだ。
1)個人や企業が、ある文章を翻訳したい、とする。
例えばレストランの日本語のメニューを韓国語に翻訳する。
或いは中国語の商品の説明文を日本語に翻訳する等。
2)その企業や個人がネットに翻訳の注文を載せる。
例えば<日本語を中国語に翻訳希望:文字数は約5千文字、納期は一ヶ月、内容はホテルの室内利用規約>等。
3)翻訳能力のある者がそれを見て入札する。<1文字××円で請け負います。当方の経験と資格はこの程度>等と返事をする。
4)注文する側は、価格や相手の情報を見て、翻訳者を決定する。
5)仕事が終わると注文主から翻訳者の口座に報酬が支払われる。
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概ね、このような流れである。私は当初このシステムをとても良いと思った。自分の空いている時間を使えるし、仕事も自由に選べる。
それに自分でしなくても、日本語→中国語の翻訳なら大学の生徒に斡旋して(手数料は取らない!)あげることもできる。
日本語科の生徒にとっては勉強にもなるし、手軽なアルバイトにもなる。一石二鳥だ、と。
だが、今はこのビジネスを利用するつもりはない。
自分自身も何度か実際に注文を貰って、少しの報酬も得たけれど、決して人に勧めようと思わない。
理由は三つである。
1)報酬単価が安い。
仕事として翻訳を行ったことがある人ならわかるだろうが、ほんの数行の文章でも専門用語が有ると簡単ではない。
長時間かけてやっと正確な翻訳ができる事も少なくない。その時間に見合った金額はなかなか得られない。
2)入札方式なので、結局低単価競争になってしまう。安い入札をした者が受注する場合が多い。 いくら自分が高品質な翻訳ができても高額は期待できない。
3)実はこれが一番の理由。注文する側の担当者は<文章の良し悪しを判断できない人>である場合が多い。
文章を自分で書かずに他人に頼む人というのは<自分が長い文章を書けない>人なのだ。だからこっちがいくら心をこめて精緻な言葉を選んでも、その価値が担当者にはわからない。 日本語の諺では「豚に真珠」である。中国語では「牛の前で琴を弾く」だろうか。
<中国語→日本語>の翻訳を受注するために自分の翻訳の実力を示さなければいけない。私は過去の翻訳例を相手側に送った。
送った文章は琼瑶の小説の日本語翻訳文である。
私が書いたこの小説の日本語翻訳は当時の日本のネット仲間から絶賛されたものだ(もちろん琼瑶の小説が面白いのが一番の理由だが)。 だから決して100%自画自賛ではないはずである。 だが、注文主からは何の返事もない。
その他、<日本語→中国語>の翻訳を受注するために、ある優秀な中国人生徒に翻訳してもらった中国語を相手に送ったこともある。私は日本語ネィテブなので中国語の妙味が100%わかるわけではない。 だが、その生徒の翻訳は充分まとまっていて正確だと私は思った。
だがこれも返事がない。
翻訳した生徒は中国の超有名大学在校生だということも伝えたのだが、反応がない。
私は思った。
結局《クラウドワーク》で求められるものは<文章の良し悪し>ではなく<作業単価が高いか安いか>だけなのだ、と。最近、日本の街には更正もしていないような奇妙奇天烈な中国語が溢れているという、なんとなく納得できるのである。
【外教日记“云工作”】(中文版)
有一种通过网络进行外语翻译的“云工作”。主要是翻译AI的自动翻译无法完成的专业文章。
虽然现在AI自动翻译的准确度也提高了,但还是没有达到能用于正式商务的水平。
人工翻译的需求量在这个全球化的时代是只增不减的吧。
“云工作”的步骤是这样的。
1)假设个人或企业想翻译某篇文章。例如,将餐厅的日语菜单翻译成韩语。或者是将中文商品的说明书翻译成日语等。
2)该企业或个人在网络上发布信息。例如<希望将日语翻译成中文>字数约为5千字,期限为一个月,内容是酒店室内使用规章>等。
3)有翻译能力的人看到后投标。要价<1字××日元>并告知对方自己的经验和取得的证书等
4)投标方根据价格和对方的信息来决定翻译者。
5)工作结束后,向翻译者的帐户支付报酬。
大致是这样的流程。我当初觉得很好。既可以利用自己的空闲时间,又可以自由选择工作。
而且就算自己不做,日译汉的话,可以给大学的学生介绍(不收手续费!)。对日语专业的学生来说既能学习,又能轻松地兼职,我认为是一石二鸟。
但我现在不打算做这个兼职了。虽然自己也收到了好几次,得到了一点报酬,但是不推荐给大家。理由有三个。
1)报酬单价低。做过翻译工作的人应该能明白,即使是只有几行的文章,有专业用语的话也不是那么容易的。
花很长 时间才能够准确翻译的情况也不少。很难得到与花的时间相符合的金额。
2)因为是投标的方式,结果变成低单价竞争。价格便宜的话就容易接到订单。不管自己的翻译水平有多高,也不敢期望高价。
3)实际上这是最主要的理由。投标方的负责人多为<无法判断文章的好坏的人>。
所谓自己不写文章委托别人的人,就是不会写长文章的人。
所以不管我选择多么精美的语言,负责人都不会知道它的价值。用日语谚语说的话就是「豚に真珠」,中文就是“对牛弹琴”吧。
为了接到<中文→日语>的翻译订单,必须展示自己的翻译实力。我把以前自己翻译成日语的琼瑶小说给发了过去。 我翻译的这篇小说当时受到了日本网友的极力称赞。(最大的原因是因为琼瑶的小说很有意思)所以绝不是自吹自擂。但是,我没有得到任何答复 。
除此之外,为了能接到日译汉的单,我还向对方发送了一位优秀的中国学生翻译的中文。我是日语教师,不是特别懂中文的妙趣。
但是,我觉得那个学生的翻译十分有条理且准确。但是也没有得到回复。我还告诉对方翻译的学生是中国十分有名的大学分在校生,但是也没有反应。 我心想到头来,“云工作”要求的不是<文章的好坏>,而只是<价格高低>。
最近,日本的街道上到处都是没有改正的奇奇怪怪的中文,我开始有点能理解了。
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